とある男の入院日記

 

 

お久しぶりです。玉木宏です。

ブログを開くなんて何週間ぶりだろうねとか思ってます。結構これ体力使うし元気な時にやろうと思ってたからね。

 

 

 

 

 

ま、時間あるし書こっかなって……©︎

 

 

 

 

 

まぁ、そんな感じで今回も書いていきます。

今回は皆さんの期待には添えないテーマです。恋愛しか興味のない平和ボケした皆さんにアッパー食らわすつもりで今回は書いていこかなて。

 

  

 

 

 

さぁ、気になるテーマは「病院」です。

 

 

  

 

 

ま、わかるよねー!最近手術したばっかだしねー!

お腹ぱっくり切ったしねー!凄い痛いよー!

 

 

 

 

 

なんやかんや「手術」言われても実際やった事ない人が多くてどんな感じか分からんのよな。まぁ、僕も今回体験するまでは知らなかったです。こんな地獄やったとは。

 

 

 

 

 

第一章 ~全ての始まり~

4月22日、朝はやって来る。

 

 

 

 

 

雨戸がすっかり操られて、まだ明けきらない朝の青い光と清々しい空気が、霧のように座敷の中に流れ込んでいた。寝起きの僕の前にある青々とした景色を煙草の煙に巻きつけながら、名付けようのない様々な感情は居場所の見つからぬままどこかに消えていった。

 

 

 

 

 

今日は入院日である。

まあ、なんて言うか……あれだ。明日が手術本番やからゆっくりしていきーやって感じの調節日だ。鬱々とした気持ちの中、僕は入院前はなるべく控えていた煙草を何事もない顔で吸い込み、普段よりもなるべく長く煙草との会話を楽しんだ。

 

 

 

 

 

正直、かなり嫌だった。

入院手術なんてものは鬱の権化だと感じていたからだ。

 

 

 

 

 

重い足取りのまま家を出た僕は、どこからともなく不意に襲ってくる不安で底知れぬ憂鬱の沼に蹴落とされていた。歩き出してみたけれど、それは病院を目指して歩いていたわけではなく、ただ肉体に従い引きずられているような感覚に近かった。自分の肉体よりも少し後ろを歩いているような感覚で、肉体に対して止まるよう要求することはできなかった。両足が空中を歩いているように浮ついていて、いつまでも目的地に着かなければ良いという気持ちが身体に反映されているようだった。

 

  

 

 

 

長々書いたが病院は家の真横なので徒歩30秒で着いた。

 

 

 

 

 

まず入って諸々の手続きがあった。

その後にコロナの検査があった。正直こんなとこ書かないで早く本編入れと考えているあなた、落ち着けよ、殴るぞ?コロナ検査が最初にして最強だと経験者は語らしてもらいたい。

 

 

 

  

 

検査を受けに行く僕はこの時全くのノーガードである。

順番を待ち、これから迎える入院生活を想像することもなくゲームをしていた。

 

 

 

  

 

そして僕の番が来た。

 

 

 

 

 

正直このときは採血とかその辺でしょ?注射ぐらいさっさとしてくれ…とどこぞのキッズみたくイキリ散らかした思考をしていた。でも現実は違った。鼻に棒を入れるタイプであった。注射はいつの間にか克服し結構好きな方であった僕が唯一嫌いなタイプの検査方法である。

 

  

 

 

 

看護師さんからの「はい、いきますよ~」の声。身構える僕。

 

 

  

 

 

吸い込まれる棒

 

近づく穴

 

邂逅

 

そして接触

 

 

  

 

ッッッッッッ!!!!!!!!!!!

 

  

 

 

 

刹那、鼻に激痛が走る。圧倒的な物理的暴力。白けていく視界。

鼻の中にある痛覚が悲鳴を上げる中、ただ目先の検査にひた進む検査棒はもう既に、穴の奥地にランディングするなり素早く無数の細胞の上をランニングしていた。

 

 

 

  

 

こいつ正気か!?と我を取り戻した僕は、目の前にいる看護師さんは天使の皮を被った残虐な悪魔だと確信した。そんな確信を噛み締める隙を与えず抉られる鼻の奥、ひたすらに可哀想で草。とはならなくじっと耐えていた。

 

 

 

 

 

無事検査が終わり戦場から帰ってきた僕の目には涙すら煌めいていた……

 

 

 

 

 

そんなこんなで入院生活の幕が上がる。

 

 

 

 

  

ちょっと一旦休憩させて。

 

 

どう?前半戦てか入り口での闘いはよ?

久々書いてて思ったけどこれ死ぬほど疲れるわwwwwwe are

 

 

そして、ここまでの話を読んで未だにナイツ塙の漫談トークショーだと思っている方がいるのであれば自分の力不足です。

 

 

幸い「とある男」シリーズだと認識できているのであれば続ききをお楽しみください。

 

 

 

 

 

 

第二章 ~手術~

4月22日、歩み寄る闇夜。

 

 

 

 

 

正直、22日はひたすらに暇でやることがなかった。

そんな暇を持て余した僕を唯一苦しめた存在は下剤である。

 

 

 

  

 

周知の事実ではあるが下剤というモノは便の回りを早めてたくさん便を出させる魔法のモノである。

 

  

 

 

 

そんな下剤と名乗るプロテイン

 

  

 

 

 

 

とある男女の1日。

あれは3月31日。晴天の空の下の出来事。。。

 

 

冬も終わり、生き物を拒絶するかのように固く黙り込んでいた木々達に色がつき始め、様々な生き物が活気づくそんな初春の昼下がりとは対照的に鬱々とした気持ちの中、僕は吸いかけの煙草を無造作に擦り消し、重い足取りのまま家を出た。

 

 

時刻は朝10時。僕は集合時間に間に合うようフラワータウンに向かった。バイト以外で外に出るのも珍しく、先程までの暗い気持ちを晴らすような晴天が僕の心まで明るく導く。そんなこんなでレンタカー屋に着いた。

 

 

その日はそこでレンタカーを借りてとある人物とドライブをする約束があった。実際、レンタカーで遠出をすることは珍しいことではないが、この日は珍しく緊張をしていた。

 

 

なぜなら、相手が女性だからだ。

 

 

まずは、僕一人で車を取りに行った。補償やなんやでややこしいので。その女性には近くのコンビニで待機してもらうよう連絡をした。すると、すぐに連絡が来た。

 

 

「はい、待ってます!楽しみですね!!」

 

 

文面からわかるほどの期待値の高さである。

 

 

コンビニで待つよう指示しただけなのに、はい。だけでなく楽しみですねという力強い単語の添付。確実にこの時点で僕と彼女のこの日にかける期待値が大幅にズレていると朝から確認をした。

 

 

その後、レンタカーでコンビニへ向かうと彼女の姿を確認した。いきなり会うのはアレなので、横の喫煙所に向かいすぐさま煙を吸引し気持ちを落ち着かせていこうとした。

 

 

独特なこの気持ちと渋い甘さの匂いを付けた煙が頭上で交わるのを観測する前に彼女から声がかかった。火を付けたばかりの煙草を無造作に消す。人生とタバコの違う点は、簡単に途中で辞めれるってことかも知れない。

 

 

彼女のその日の第一印象は可愛かった。

ちゃんとデートに着てくるような格好をされると大抵の男性なら可愛いと思うだろう。

 

 

会って早々だが、時間も勿体ないので急いでドライブを開始した。

 

 

行き先は前から決めていた和歌山だ。

実際、時間で言えば3時間程かかるなかなかの遠距離ドライブであった。

 

 

正直、初めの方の会話はあまり覚えていない。

たわいもない話をしていたからだろう。あの時は、ただただ目的地に着いてから色々楽しむことで頭がいっぱいだったと思う。

 

 

しかし、神様は意地悪なのだろうか。

春休み最終日という事もあり車の数が多過ぎる。その辺やたら滅多らに渋滞。車は全然進まない。まるで今日の僕の心を写しているかのように…

 

 

目的地到着予定時刻も永遠に延びる中、ある1つの提案が頭をよぎった。

 

 

淡路島で良くね?

 

 

甘えるなカス、死んで詫びろ!!!

そんな罵倒も聞こえてきそうな提案でもある。

 

 

ただ、正直な話をすると前から淡路島か和歌山どちらかに行こうかという体で話は進められていた。なので、この提案を出すのは時間のロスという一番の敵を省くことが出来る天才的チョイスであった。

 

 

恐る恐る提案してみると、彼女は「そうですね!時間的にも淡路島の方が色々楽しめそうですね!」と言った。

 

 

あぁ、めっちゃええ子やん……

 

 

そうなると、話は早い。

先程までの渋滞を切り裂くように、僕らを乗せた白のヴィッツは速度を上げて淡路島へと向かった。

 

 

あの時のことを白のヴィッツはこう語る。

 

 

「運転手(僕)は何かに取りつかれたようにスピードを上げ、足早に和歌山から遠ざかっていっていたように感じた。再び案をぶり返されないように。もう案を出す気力もなくなる距離まで。まるで2人の気持ちのように……」

 

 

しかし、その道中であった。

 

 

彼女から何の前触れもなく恋バナを切り出された。

 

 

ここまでの会話ではボロは出さないように気を使い満点近い会話力を見せてきた僕は、一つ恐れていることがあった。

 

 

それは、恋バナである。

 

 

2人きりの車内での恋バナはそれはもうそうなんよ。

この話は確実にあるだろうなと感じていたが、どこまで粘れるかが問題だと考えており、話の切り方一つで全てを終わらせる自信すら持っていた。

 

 

それが急に来てしまったのである。

 

 

あまりの急展開を目の前に、車内で流れていた今どきのHIPHOPすら曲本来の役目を果たす訳もなく、その音は僕の心臓の音で掻き消された。

 

 

なるべくそういう雰囲気にならないようにワードを慎重に選びながら日本が抱える財政問題などの話題を話していた事が仇となってしまったのかと頭を抱えた。

 

 

始まってしまったのならば仕方がない。

 

 

やはりメインはあちらからの怒涛の質問攻め。

警戒をしていた分、ほとんどの質問は楽に流せた。

 

 

がしかし、大きなターニングポイントとなった質問がある。

 

 

「つっちーさんの好きなタイプってどんなですか?」

 

 

これが来るのは知っていた。

Yahoo知恵袋しかり個人の膨大な人脈を辿り長年の訓練を済ませ、どこまで彼女に好意がないかを伝えないといけないか。これがこの日の一番の課題であった。

 

 

 

「あー、絶対的に年上がええなぁ。

年下は考えた事ないし普通に付き合えへんなぁ」

 

 

 

 

ありきたりだが、遠回しに恋愛的に無しを伝えられたと思った。

 

 

 

 

この返答次第では今日は勝ちだと確信していたが、思わぬ返答が返ってきた。

 

 

 

 

「え〜!やっぱそうなんですね笑

でも、年下も良いですよ!てか、年下を好きになって下さい絶対に!!」

 

 

 

 

あー、グイグイ。

 

 

 

 

20歳にも満たない子はこんなにもグイグイ来るのかと。おじさんびっくりしちゃったね。絶対ないのに…

 

 

 

 

その後も好きな感じを説明していたが、その都度僕の理想に当てはまるようになるという言葉、姿勢、迫力を感じ、もうタジタジ。普通にしんどくなってしまった。

 

 

 

 

そしてその後に念押しのためなのか、小声で寂しそうに「絶対年下好きになって下さいよ…」と。

 

 

 

 

ダメです。

 

 

 

 

年上一択です。

 

 

 

 

言わなかったが揺るがないモノがあるとむしろ清々しい気持ちにすらなっていた。あの瞬間、僕は間違いなく勝ち誇った顔をしてしまっていたと思う。

 

 

 

そんなこんなで淡路島に着いてからは

 

1.SAで休憩

 

2.海鮮丼の美味いとこで昼飯

 

3.広大な映えスポットで撮影、散歩

 

4.お花見

 

 

というラインナップで1日を過ごした。

 

 

 

ちなみに、3の場所での出来事だけ話しておく。

(別に他の場所もそんな変わらずですけど話す事はあんま無いからここだけ言います)

 

 

 

 

3で向かったのは淡路島夢舞台。

 

 

 

 

知らない方は調べて見てほしい。普通に良い場所で写真が本当に映えるような場所が多くカップルやJK達がかなり多くいた。

 

 

 

 

ここに着いた時点ではかなり仲良くなっていたと思う。それに比例しておじさんの体力は底が見えてきそうな程ギリギリであった。

 

 

 

 

正直、友達といる時にほとんど写真を撮らないし撮られないのでこのような場所に来ることの楽しさは少し理解し難い。そこは多分今どきの子達とはズレている気がする。あまり深くは考えないで欲しい。

 

 

 

 

この時の彼女は凄く楽しそうであった。

私は映えとは無縁でと言いながらもパシャパシャ写真を撮り子供のようにはしゃいでいた。

 

 

 

 

かなりの枚数を撮り満足したらしいので、僕は海を見に行こうと目の前の海に囲まれている公園に向かった。

 

 

 

 

ここまでの話を読むあたり僕も楽しそうだと感じているあなた。残念、不正解です。かなりしんどかったです。

 

 

 

 

 

正直、海を見に行こうと提案したのは表の理由で、裏では普通に休みたかったのと一度冷静に考えたくなったからである。

 

 

 

 

 

海に着き次第、喫煙所を探した僕。

正直、あの時の視力は5.8ぐらいあってもおかしくなかった。異次元のスピードで喫煙所を見つけ50m2秒6の瞬足でセーフティーゾーンへと避難した。

 

 

 

 

 

 

僕はここで頼れる親友であるT•F(あ、尚です)にすかさずLINEを飛ばし助けを求めた。正直あまり喋ったことの無い人と1日2人きりでデートは普通に誰でもしんどいと思うんです。それを分かってくれる人に共感してもらいたかったんです。








「ドライブちょっとキツイです…」







この一文だけで全てを汲み取ってくれると信じた。
デートに行く事も知っている彼なら全てを理解し心温まる言葉又はアドバイスをくれると信じていた。






そして、返信はすぐに来た。








「知らんくて草」







思考が一度本当に止まった。

 

 

 

 

 

 

知らんだけならまだしも語尾に草を添えるワードチョイス、そして今一番必要としていない言葉ランキング堂々の1位である「知らんくて草」を投げかけてくる彼にもう一度出会ったら顔面にウシガエルを投げつけようと心に誓った…。

 

 

 

 

 

 

その後もしんどさアピールを続けると

 

 

 

 

 

 

「俺に助けを求めるな」

 

「話題ねーよ」

 

 

 

 

しまいには

 

 

 

 

 

「カスで草」

 

 

 

 

 

 

彼らしいなと……

その時、晴れているのに雨が降っていた。

あれが涙だったと気付いたのは帰ってからだった…

 

 

 

 

 

 

 

無性に煙草が吸いたかった。煙に乗せてこの苦い気持ちを忘れたかった。

 

 

 

 

 

 

まぁ、なんやかんやでドライブが終わりワンカルでの仕事の日々に帰ってくる度、「ドライブ楽しかった?」「好きなん?」「付き合ってるん?」の言葉の嵐。

 

 

 

 

 

 

僕はポケットにある煙草を探した。いや、言葉を探したほうがよかったのかも知れない。だが見つからない。煙のようで。掴めない。